経済成長するASEANを走破、日本の国際協力の意義とは vol.2
途上国の視点から世界の未来を考える
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日本が国際協力という名のインフラ投資で最重要視してきた、メコン流域諸国(CLV)の経済統合、交通インフラ整備によるコネクティビティ向上という戦略は、これまで間違っておらず、大きな成果を上げてきたといえるでしょう。
インフラは、東南アジア大陸部に進出した日本の製造業が大いに活用するようになり、同時に中国、韓国やベトナム企業にも活用されています。
東南アジアの大陸部が難しくなるのはこれからです。
・中国の大失速、というのが根本にあるともいえますが、
・一帯一路による中国のインフラ整備。これで、良くも悪くも、東南アジアのインフラをつくるのは、日本から中国になってきています。
・ミャンマー内戦と東南アジアの分断:ASEANの経済成長は、政治的安定と経済統合の進展を前提としたもので、これが日本外交と国際協力の要でもありましたが、この要が崩れつつあります。
ミャンマーやカンボジアのように、明確に中国のプレゼンスが増大する国が増えていき、ASEANというより、中国経済圏に統合されていきます。この分断に、周辺諸国、少なくともタイは巻き込まれていきます。
その一方で、フィリピンと米国が絡んだ南シナ海の分断があります。
日本も、これまでのやり方は通用しなくなりますが、どう適応していくかが問われます。私の通うタイの大学では、ASEAN事情に詳しい先生が多く、授業でもケースを多く扱っています。カンボジアにおける日本と中国の開発競争のような状態がカンボジアの開発において健全であるかどうかは、授業中で議論にもなりました。
特に、私は開発と環境保全のバランス感覚をどれだけ開発を援助する国が持っているのかが気になりました。