2023/12/29

【TBS福澤】ネトフリ時代に『VIVANT』が見せたTVドラマの底力

NewsPicks 記者・編集者
制作費、1話1億円──。
2023年に大ヒットしたテレビドラマといえば、TBSの日曜劇場『VIVANT』だろう。
日本のドラマの相場は約3000万と言われるなか、通常の3倍以上も費やした「破格」の制作費が噂され、大きく話題になった。
この『VIVANT』を仕掛け人こそ、TBSテレビの福澤克雄氏。
日曜劇場『半沢直樹』『陸王』『下町ロケット』を始め、TBSの名作ドラマを手掛けてきたヒットメーカーだ。
福澤氏は『VIVANT』をつくった背景を、「日本のドラマとして、世界で通用する作品を作りたかった」と語る。
このインタビューでは、制作の裏側と海外での「勝ち筋」をじっくり聞いていく。
INDEX
  • 「危機感」から生まれたドラマ
  • あえて「第1話」は捨てた
  • 初回まで「宣伝なし」の理由
  • 日本人の「寛容さ」は宝だ
  • 「和のモチーフ」に込められた意味
  • エンタメの屋台骨は「テレビ局」
  • 大きくつくって、大きく動く

「危機感」から生まれたドラマ

── 『半沢直樹』や『下町ロケット』などで知られる福澤さんですが、『VIVANT』では初めて原作から手がけたそうですね。本作を制作したきっかけを教えてください。
福澤 根底にあったのは、日本のドラマに対する「危機感」です。