2023/12/18

【峰岸会長】リクルートが守り続ける「大原則」を教えよう

NewsPicks 編集部 記者
2023年の経済界を振り返ると、残念ながら不祥事ばかりが思い浮かぶ。
創業者の性加害問題が表面化した旧ジャニーズ事務所や、自動車保険の水増し請求で問題となったビッグモーターなど、ネガティブなニュースが世の中を騒がせた。
どちらも来年以降に再建を目指すが、周りからの風当たりなど舵取りは簡単ではない。
しかし、明るい話もある。過去を振り返ると、社会を騒がせて評価を落とした企業が復活し、エクセレントカンパニーとして君臨する例があるからだ。
今や10兆円の時価総額を誇る、リクルートホールディングスだ。
1989年に創業者の江副浩正氏がリクルート事件で逮捕され、バブル崩壊時には1兆8000億円ともいわれる有利子負債を背負うことになった。
そこから歴代の経営者が丁寧な舵取りを続けて、現在のポジションにまでたどり着いた。
1人のスター経営者ではなく、各トップが自分の世代で担うべき役割を着々とやり遂げて、次世代にバトンをつないできたのだ。
経営者で会社は変わる。トップの決断が危機に陥らせることもあれば、蘇らせることもある。
では、リクルートの経営陣はいかにして復活させてきたのか。立役者の一人である峰岸真澄会長を直撃した。
峰岸会長の口から語られたのは、会社を成長させ続けるための人材戦略だった。経営者のみならず、部長や課長クラスなど全てのマネジメント人材に参考になる内容だ。
ぜひとも年末の思考整理の時間に向けて、インプットしてほしい。
INDEX
  • ①経営者は「仕組み」をつくれ
  • ②「誰かの一存」で決めない
  • ③自分のアジェンダを間違えるな
  • ④長期目標を明確に、戦略は緻密に
  • ⑤従業員もオーナーシップを

①経営者は「仕組み」をつくれ

──率直に伺います。峰岸さんは、経営者の役割は何だと考えますか。