David Shepardson

[ワシントン 13日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが米国内で200万台超のリコール(無償修理)を届け出たことが13日明らかになった。高度運転支援システム「オートパイロット」について当局が安全面の懸念を指摘したことを受けたもので、誤使用防止機能を追加するとした。

リコール台数は同社にとって過去最多で、米国内のテスラ車のほぼ全てが対象となる規模。

米道路交通安全局(NHTSA)は、テスラ車が停車中の緊急車両に衝突する事故が10数件発生したとしたとして2021年にオートパイロットの調査を開始。オートパイロット作動中でもドライバーが注意を払って運転しているかに焦点を当てた。

テスラはリコール届け出の中でオートパイロットの機能が誤使用を防ぐのに不十分なため、衝突のリスクを高める可能性があると説明した。

カールソンNHTSA局長代行は13日に米下院で開かれた公聴会で、テスラ車のドライバーはオートパイロット作動中に常に注意を払っていないことが調査で判明したと述べ、同社がリコールに同意したことを評価した。

NHTSAによると、リコール対象となるのは2012年型以降の「モデルS」、「モデルX」、「モデル3」、「モデルY」の計203万台。

テスラはNHTSAの分析結果には同意しないが、対象車両にソフトウエアのアップデートを提供し、一定の速度や車間距離を保つ機能が作動中でもドライバーに「継続的に責任感を持って運転」するよう促す制御・警告機能を追加するとした。

リコールが米国外でも実施されるかどうかとの質問に同社は回答していない。

NHTSAはテスラの是正措置の効果を精査するとして調査はまだ終了しないとしている。

テスラ株は13日の取引で一時3.8%下落したが、切り返して高く引けた。