[ワシントン 18日 ロイター] - ムーディーズ・インベスターズ・サービスの日本国債担当アナリスト、トーマス・バーン氏はロイターとのインタビューで、日本政府が2020年に基礎的財政収支の黒字化目標を達成できなければ格下げ圧力に直面するとの見解を示した。

同氏は「(目標達成が)遅れた場合、一般的には格下げ圧力となる。一方で前倒しした場合は格上げ方向となる」と指摘。政府の増税計画への対応が変更されるかどうか注視していると述べた。

その上で「(日本の)財政政策で問題だと考えているひとつは、主に歳出削減よりも税収に依拠していることだ。歳出抑制にどの程度重点を置くかをみたい」と述べた。ただ社会保障の歳出削減は「政治的に非常に困難」だろうとしている。

バーン氏は、日本の膨大な公的債務を考えると財政政策は引き続き緊縮的とする必要があるとし、「(アベノミクスの)第3の矢が依然欠けている」と述べた。

日銀の大規模緩和で低金利が続いていることに油断してはならないとし、低金利がいつまでも続く保証はないと指摘。「量的・質的緩和(QQE)は一時的政策と考えているはずで、ある時点で(債券利回りの急上昇など)意図せぬ結果をもたらす可能性がある」との見方を示した。