2023/12/5

【独占直撃】電通、次期社長が語る「コンサル」本格進出の理由

NewsPicks 副編集長
「名刺が3枚もあるんですよ」
国内最大手の広告会社として君臨してきた巨艦・電通。2024年1月に社長に就くことが決まったその人物は、そう言って挨拶をした。
佐野傑、53歳。新卒で電通に入社して以来、長らく営業畑を歩み、あらゆるクライアント企業の広告ビジネスを担当してきた。
2022年、佐野氏は電通の国内グループ会社を統括する組織で、ある事業領域の責任者となる。
それが、コンサルティングビジネスだ。
持ち株会社の電通グループは2021年1月に中期経営計画を発表。新たな柱の1つに位置づけたのが「ビジネストランスフォーメーション(BX)」、つまり戦略コンサルだった。
世界の広告業界を見渡せば、アクセンチュアやデロイトといったコンサル大手がマーケティングの領域にも進出。
そして今度は電通のような従来の広告会社が、コンサルに足を踏み入れる。
佐野氏は今、電通グループでグローバルのBXの責任者を務め、国内グループの統括組織「dentsu Japan」でBXとDX(デジタルトランスフォーメーション)の部門を、中核会社の電通では営業部隊を率いる。
まず日本でコンサルビジネスを根付かせ、今後はグローバル展開も見据える。
そもそもなぜ、電通がコンサルに進出したのか。一体どこまで勝算があるのか。
NewsPicksは今回、電通社長への就任直前の佐野氏に独占インタビューを敢行。巨艦のかじ取りを任されたリーダーの野望に迫った。
INDEX
  • 広告だけでなく、全部やる
  • 右脳と左脳の掛け算で勝つ
  • 広告よりプレゼンの勝率が高い
  • 広告屋がコンサルになれるのか
  • コンサルで収益は安定する
  • 電通を変えた2つのM&A
  • AIには「心」を動かせない