2023/12/4

【流出】中国人が、東京のタワマンを「現金」で買い漁る理由

NewsPicksでは週7日毎日、世界のビジネストレンドの背景を追うシリーズをお届け中。月曜は「Must Read(今週のビッグテーマ)」です。
INDEX
  • 機内スーツケースに現金と延べ棒
  • 毎月7.5兆円が流出中
  • 8年前の金融危機との違い
  • それでも「流出」は止まらない

機内スーツケースに現金と延べ棒

中国では、3年近くほぼ完全に国境を封鎖してきた新型コロナウイルス措置の終了を受け、2023年は富裕層によって数千億ドル(数十兆円)が国外へ流出した。
彼らが購入するのは海外のマンションや株式、保険証券だ。
再び東京やロンドン、ニューヨークへ渡航できるようになった中国人旅行者は、日本でマンションを購入し、利子の高い米国や欧州の銀行に預金する。中国は金利が低く、今も下がり続けているのだ。
中国マネーの国外流出からは、国内の不安も垣間見える。
11月、香港の宝石店で金の延べ棒や金のアクセサリーを買い漁る。中国の一般家庭は海外に送金しているが、これは国の経済的・政治的将来に対する懸念の表れだ(写真:Billy H.C. Kwok/The New York Times)
パンデミックからの回復遅れだけでなく、家庭にとって最大の財産である不動産の価値が急落するなど、より深刻な問題への不安だ。