物価目標の達成、持続的賃金上昇の裏付け必要=野口日銀委員
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野口審議委員、とお呼びするよりも、野口先生のご講演は、ケインズ主義に基づくマクロ財政金融政策のあり方をめぐるアカデミックな論争の流れを最新のものまで含めてわかりやすく整理し解説されたうえで、ご自身の政策判断を導き、財政と金融政策の連携の必要性を強調しておられます。
この記事だけでは、野口先生が、各国中立金利は長期的には上昇していないのに短期的には上昇していると述べた論拠がわかりませんので、日銀のホームページで原文をお読みになることを強くお勧めします。深い学びを得られるはずです。広い国民生活に照らせばインフレに色はありません。賃金インフレだろうが輸入インフレだろうが、インフレが実質賃金の前年割れをもたらしています。そして31年ぶりの賃上げでも実質賃金の目減りを招いている一因は極端に低い実質金利と円安をもたらしている異次元緩和です。例えば、ですが仮にマイナス金利を解除したところで、実質金利の大幅なマイナス、即ち緩和であることに変わりはありません。それでも市場では、先々の正常化を見越して若干の円高が進み、輸入インフレがいくらか抑えられるでしょう。それでいて輸出は、元々海外生産比率が高まっているため、大きなダメージは受けません。訪日外国人が急減することもないでしょう。重要な点は、金融政策を賃金重視の一本足打法にならないようバランスよく判断していくことと考えられます。