新興国の脱ドル化は「白昼夢」か。「南米共通通貨」構想はアルゼンチン離反で崩壊へ
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アルゼンチンでドル化を主張するミレイ氏が大統領選で勝利したわけですが、経済政策面と共に注目されるのが、外交政策面です。
まず、来年1月の拡大BRICSへの参加が見送られる可能性が高いということがあります。仮に参加しても、アルゼンチンはかなり引いた立場から、BRICSと付き合うことになるでしょう。BRICSにはその実、新興国に対する求心力が強くないプラットフォームであることを明らかにするものです。
また、この流れで経済政策に目を転じると、ブラジルのルラ大統領が提唱していた南米共通通貨構想も破たんするということになるでしょう。アルゼンチンがドル化すれば、ブラジルとの間で共通通貨を導入することが不可能なためです。
欧米と対峙する新興国を中露がまとめ上げる、といった構図や、米国の凋落を好む構図もありますが、その実、新興国の事情は多岐にわたり、複雑であるということを、アルゼンチンの事例はよく示していると考え、このエッセイを書きました。