(ブルームバーグ): 米オープンAIの最高経営責任者(CEO)を解任されたサム・アルトマン氏と取締役会メンバー、暫定CEOは、アルトマン氏の同社CEO復帰の可能性を巡り協議を開始した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

非公開情報であることや協議がまとまらない可能性もあることを理由に匿名で語った関係者によると、協議はアルトマン氏とエメット・シアー暫定CEO、取締役会メンバーの少なくとも1人アダム・ディアンジェロ氏との間で行われている。

関係者の1人は、協議にはオープンAIの投資家の一部も関与しており、その多くはアルトマン氏の復職を求めていると語った。アルトマン氏が同社復帰の場合、CEOとして復職すると関係者1人は述べた。

シナリオの一つとして、アルトマン氏が暫定取締役会の1人となることも議論されているという。複数の関係者によれば、セールスフォースの元共同CEOのブレット・テイラー氏が新たな取締役会に加わる可能性がある。

17日にアルトマン氏を解任した取締役会は20日までは対話をほぼ拒んでいただけに、双方が連絡を取り合っているのは事態の大きな進展だと、関係者の一部は話した。

1人の関係者によると、感謝祭の祝日(23日)前に経営陣を巡る混乱の解決を目指す動きがあり、従業員が仕事の状況ついて不安を抱えたまま休暇を過ごさないよう望んでいる。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアヌラグ・ラナ氏らは、「アルトマン氏がオープンAIのCEOに返り咲く可能性は、マイクロソフトの戦略的立場を強化することになろう。また、マイクロソフトがオープンAIの従業員の大半を雇用した場合、法的リスクが高くなることを考えると、これはマイクロソフトにとって望ましい結果かもしれない。規制上のハードルが続く中、マイクロソフトがオープンAIを買収する可能性はほとんどないと見ている」と述べた。

オープンAIは協議についてのコメントを差し控えた。

関連記事

  • アルトマン氏復帰にオープンAI投資家動く、株式買い付け計画も推進
  • オープンAI社員、取締役全員の辞任要求-マイクロソフト移籍示唆

原題:Altman, OpenAI Board Open Talks for His Possible Return (2) (抜粋)

--取材協力:Shirin Ghaffary.

(詳細を追加して更新します)

More stories like this are available on bloomberg.com

©2023 Bloomberg L.P.