2023/11/22

【リアル】三重苦、でも建設業界には案外カネが落ちている

NewsPicks マクロ・マーケット担当記者
円安による原料費の高騰と人手不足。
多くの日本企業が今、頭を悩ますこの2つの問題に、先駆けて直面してきたのが建設業界だ。
もともと高齢化が進んでいた上、男性の就労者が圧倒的に多く、他の産業のように女性の社会進出も進まなかった。
その結果、2010年頃からすでに人手不足に直面してきた。
コロナ禍やウクライナ戦争を経て資材の価格も急上昇し、特に民間工事の採算は急激に悪化している。
さらに「2024年問題」が追い打ちをかける。
5年間の猶予期間が終わり、建設業界でも2024年4月から「時間外労働の上限規制」が始まる。人手不足が一層深刻になるのは間違いない。三重苦の様相だ。
大きな工事では元請けのもとに下請けがいくつも連なり、2次請け、3次請けは、儲からない。現場の仕事はつらく、不安定──。
そんなイメージを抱く人も多いだろう。
だが、そんな建設業界で静かな異変が起こっている。大手企業では「当たり前」でも、ITや効率化から取り残された建設では、少しの工夫が絶大な効果を生む。
一見、古くさい業界で「おもしろい」改革を起こす人たちの動きは、これまでの慣習まで変える可能性を秘める。
建設以外の中小企業にとってもヒントが多い、変化の最前線を見てみよう。
INDEX
  • 異色のユーチューバー「石男くん」
  • 業界より10歳若い平均年齢
  • 休みが増えても給料アップ
  • 赤字覚悟で超最先端の技術に挑戦
  • 「下請け」がアツい
  • 見えた「年収1000万円」
  • 厳冬の建設業界

異色のユーチューバー「石男くん」