中途半端に有能な人には限界がある。突き抜けた“無能”であれ
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注目のコメント
無能か、有能か。それは大問題です。
それは有能であるほうがいいに決まっていますが、頭のいい人は、いろんな可能性がぜんぶ見えてしまうために、かえってブレやすいところもある。鋭利なカミソリは切れ味は鋭いものの、折れやすい。いっぽう鈍いナタのほうが丈夫であるという局面もあります。
『無能の鷹』の主人公、鷹野ツメ子さんは、がっつり無能。なんのエクスキューズも意味をなさないほど無能です。
しかし社内ニートとなっても平然と居座り、まったく動じないメンタルだけはすごい。ビビリの自分なども、ぜひ見習いたいところです。『無能の鷹』はITに関わる企業にお勤めの方にはツボだらけ、そうでない企業にお勤めの方も共感エピソード満載の、令和のお仕事ギャグマンガです。
作中に出てくる「ハッピーエヴァンジェリスト」が実在するかどうかは別として、「さもありなん」な横文字肩書きです(笑)。
読み進めていくと、どんなにカッコつけた方にも人間くさい部分が見え隠れして、あくの強いキャラクターたちが愛おしく思えてきます。
ビジネスパーソンも個人で当たり前のように発信する時代において、人は肩書きと経歴、プロフィール写真でビジネスの大海を泳いでいます。
キラキラした経歴と洗練されたプロフ写真だけど、実際に仕事をしたら意外なところが見えてきたり……。あるあるですね(笑)。
ハッシュタグのように何かコピーを自分につけ、武装して、VUCAの時代に生き残っていかなければならないサバイバルビジネス人生。
鷹野さんのような存在は、Tシャツで戦場にいるようなものかもしれません。意外に、いちばん弾をよけるパターンかもと思います。
勘違いが新たな勘違いを呼んでストーリーが展開していくリズム感も心地よい作品です。ぜひ、ご一読ください。漫画『無能の鷹』は読んでいないが、この解説記事だけでも十分に面白いと思った。主人公の鷹野の「シンプルな無能さが結果を呼ぶ」という辺りが、我が子を含めて今の若者の姿をうまく表現しているような気がする。
自分たちの「能力」とのずれにしか過ぎないものを、「無能」と捉えるのは了見が狭いように思った。
また、「中途半端に有能な人は、意外と限界があるものです。」という言葉や無能がブレークスルーをもたらしうるという考え方にも共感した。
ほんとに、今までの狭い了見から脱却することが大事だと思う。