2023/11/25

【必読】気鋭の平成生まれ学者が説く、「昭和式経営」の凄さ

NewsPicks編集部
バブル崩壊後、当初「失われた10年」と言われた低迷期は、あっという間に「失われた30年」とまで言われるようになった。
若い世代を中心に、経済面を中心に日本企業のダメなところがクローズアップされることも少なくないが、こうした考え方に一石を投じた書籍が今、ブームとなっている。
慶大准教授の岩尾俊兵氏が著した「日本企業はなぜ『強み』を捨てるのか」だ。
平成生まれで、まさに日本経済の低迷期と共に育った岩尾氏が語るには、「日本企業の強みはいったん、海外に輸出され、それがまた逆輸入されている状況」だという。
なぜこうした迂回が起きているのか。そもそも日本企業の強みや実践例とは。岩尾氏に聞いた。
INDEX
  • 日本企業の強みは「ヒト集め」だった
  • 「日本の復活」も見ている平成世代
  • 平成で失われた「日本式経営」とは
  • 実は、日本に学ぶAmazon
  • ラーメン屋で学ぶ「ヒト集め」経営

日本企業の強みは「ヒト集め」だった

──まず、「日本企業の強み」とは何でしょうか。
岩尾 あくまで「過去に世界を席巻した日本企業の」「理念としては」という注意書きが付きますが、一言で表すと、「ヒトの結合」です。
つまり、人の共同体を大きくして、人に好かれる経営です。
これが、昭和の高度経済成長期に世界を制した日本の製造大企業の強みでした。
成長期のパナソニック、ホンダ、トヨタ。少し最近だと、成長期の京セラを思い浮かべていただけばいいでしょう。