【直撃】朝日新聞が「今さら」科学誌ニュートンを買収した狙い
コメント
注目のコメント
科学雑誌ニュートンは、高校生くらいから親しんでいた雑誌でしたが、実は記者になってからの方がお世話になっていました。科学記事を書くときに重要なのが図版(イラスト)です。図版一つで、小難しいテーマでも理解の助けになったり、多くの記事の中で目を留めてもらえるきっかけ(アイキャッチ)になったりするからです。
ニュートンはこのイラストづくりが素晴らしい。わかりやすさと正確性の両立・バランスにとことんこだわっている。科学記者になってから何度も参考にさせてもらいました。もっとも、あまりにクオリティーが高いので、ほとんど真似できないのですが。
今回ニュートンは朝日新聞出版に買収され、朝日新聞グループの傘下に入りました。一報を聞いたときは、「ニュートンてそんなに経営が厳しかったのか」と思ってしまいましたが、実はそうではないようです。
ひとまず、編集方針は変わらないとのことで安心しましたが、今後の「進化」にも期待したいです。最近つくづく思うのはどれだけ情報が大量に存在していたとしても、自分が1日に読み込める量はたかが知れているということです。伝統的なメディア企業は、活字だけではなく、動画や音楽、SNSなどネット上に溢れかえった情報と競合しながら、地位を維持しなければならない困難さがあると認識しています。
生き残るためには、提供情報に強い需要があり、 且つオリジナリティがあって、紙だけではなく読者が読みやすい媒体上に展開されていることが求められているので、魅力的なコンテンツを生み出す力だけでなく、資本力も要求される厳しい時代だと捉えています。朝日新聞の素晴らしい打ち手だな、と思うのと、同時にとんでもないどんぶり勘定経営だったんだな、と思います。役員報酬、オフィス賃料、広告を減らして利益が2億円も出るとは。
専門雑誌のコンテンツ製作能力があれば動画でも映画でも何でもできるように思います。そのくらい専門分野における編集者の切り口は凄いです。
"私以外の取締役に辞めてもらって、オフィスも家賃の安いところに引っ越して、広告もなくせば、年間2億円くらいの利益が出ることがわかってきた。"