【気候工学】アルトマンも期待する温暖化対策の「最終手段」
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太陽光を遮って地球を冷やすなど、SF的な構想が注目される気候工学。主な研究やその現在地について、杉山昌広・東京大学准教授に聞きました。地球全体の未来に関わる技術だけに、技術面だけでなく、ガバナンスや倫理的課題についてもしっかり検討していく必要があることがよくわかりました。
また、二酸化炭素除去については気候変動の緩和策の一つに位置付けられているものの、BECCS(CCS付きバイオマス・エネルギー)などの新規技術は、量的にはまだほとんど除去に貢献できていません。
新規技術に過度に期待することなく、従来の手法も含めた選択肢の中から、合理的な方法を選んでいく必要がありそう。取材を通して、最大の対策は二酸化炭素の排出量削減だということも再認識しました。太陽放射改変は、生物の成長を妨げ、人間の活動にもマイナスの影響をおよぼすリスクがあります。太陽はサンサンと照らすもの。お天道様の恵みを遮ってはなりません。二酸化炭素除去は効果がありそうです。
ジオエンジニアリングはコスト安く劇的な効果を得られるために注目されているアプローチの一つです。
ただ、サムアルトマンのTweetにも”as a temporary patch”とあるように、一時的な緊急策にしかすぎず、根本的な温暖化解決策にはなっていないことに注意が必要です。
DACをはじめとする二酸化炭素除去技術も同様です。
コストやスペースの問題で除去できる量には限界があり、どうしても除去しきれない最後の一押しには使えますが、現時点の技術では、これがあるから化石燃料を今のように使い続けて大丈夫なことにはなりません。
基本的にはあらゆる手段を電化しその電力をクリーンな方法で作ることによって脱炭素化を進める、ただしそのスピード感やどうしてもそれが難しい部分でこの記事のような技術も使っていくべきだよね、というのが正しい理解だと思います。