出口への準備、環境整備進めることが重要と1委員-9月日銀会合
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注目のコメント
「金融緩和が修正に向かう動きが経済・金融に大きな影響を及ぼす可能性がある」 (@@。
緩和の修正がなぜ大きな影響を及ぼすかといえば、異次元という名の異常な緩和を続けて金利上昇に耐えられない構図を我が国に作ったからでしょう。今の我が国は、政策を急に変えれば問題が一気に表面化するが、政策を変えなければ出口で起きる問題が益々大きくなる二律背反状態に置かれています。
過度な景気介入が景気の振幅を大きくするのはつとに知られているところです。出口の議論を封印したまま異常な緩和を進めたことが、円安とインフレが昂進して国民の購買力が落ち、受け取るべき利息収入が得られない事態を招いているのです。出口を考え準備と環境整備を進めることは緊要であろうと思います。これまでそうした議論が公にならなかったことの方が不思議です ( 一一)オイルショック要因を除けば、1980年代半ば以降、日本でインフレ率が2%を超えたのは、消費税導入や税率引き上げの時期と円安、資源高が重なった輸入インフレのどちらかです。日本経済の実力ベースで2%目標を上回った時期は皆無ですから、厳格に2%目標に拘り続ける限り、確かに出口は遠いでしょう。一方、今次局面において1年半にもわたって2%目標を上回り続けているのは、その輸入インフレが起点ではありますが、企業がそれを幅広いモノ、サービス価格に転嫁している為で、その背景に過去みられなかったインバウンドと約30年ぶりの人手不足の存在が挙げられます。この為、今後のリスクは、金融政策の正常化が大きく後手に回ってしまう、即ちビハインドザカーブに陥ることです。その際の金融政策には、遅れた分を取り返す必要性から、利上げペースの加速が求められますが、それはかえって景気を失速させる危険性を伴います。従って、今後のリスクシナリオAとして「正常化の遅れ⇒ビハインドザカーブ⇒急速な正常化⇒景気後退」を念頭に置く必要があります。一方、ビハインドザカーブに陥った後もなお正常化が遅々として進まない場合もあります。その際、資産価格の高騰を含め、インフレが止まらないことになります。即ちリスクシナリオB「正常化の遅れ⇒ビハインドザカーブ⇒それでも遅い正常化⇒インフレ高進」です。今の日銀からすれば、Bの蓋然性の方がやや高いと考えられます。