[東京 9日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は、新規株式公開(IPO)後に問題が生じた企業や引き受け主幹事となった証券会社に検査に入る方向で検討に入った。IPO企業に対して投資家の不信が高まっていることから、証券会社が適切な引き受け業務を行っていたかどうかを検証する。

関係筋が9日、明らかにした。

IPO企業をめぐっては、経営者の不適切な取引や上場後すぐに業績予想を黒字から赤字に修正するなど、投資家の不信を招くケースが相次いでいる。日本取引所グループ<8697.T>はIPO審査の厳格化を証券会社や監査法人に要請している。証券監視委も、このままの状況が続けば投資家の信頼を失い、証券市場が担う直接金融に大きな支障が出かねないと判断した。検査では、証券会社の引き受け審査や引き受けの体制が適切だったかどうかなどを調べる方針だ。

関係者は「当初から一般投資家をあざむこうと意図したIPOだったのではないか、と疑われるのであれば、当然、検査で検証しなければならない」としている。

証券取引等監視委員会の広報担当者は、一般論としたうえで「金融商品取引法等の法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、必要な調査等を行っている」と話している。

(和田崇彦)