2023/11/3

【休日に読む】半導体の「素」がとても奥深い

NewsPicks 編集部 記者
シリコンと聞けば、何を思い浮かべるだろうか?
まず、真っ先に「半導体」を思い浮かべるのではないだろうか。
だけれど、そもそもの「シリコンって何?」と聞かれると、なかなか難しい。実は原子番号14の元素であり、日本語では「ケイ素」という。
スマホやAIの半導体としてデジタル社会を支える鉱物であり、同様に太陽光パネルにも不可欠でグリーン社会でも必須だ。かと思えば、整形手術でもシリコンって名前が出てくるし、「シリカ水」なんてものがあったりする。
専門家でさえ「ケイ素は魔術師だ」と呼ぶほどだ──。
シリコンを含んだ石英(Quartz)(写真: Wirestock/Gettyimages)
さらにいえば、シリコンは、地球上で酸素に次いで2番目にある「ありふれた元素」にもかかわらず、今や、そのテクノロジーへの重要性から「重要鉱物」に認定され、世界中で確保が必須となっている。
何より、シリコンは取材すればするほど「謎」が深まる
誰もが現代社会における「半導体」については語っているのに、実は、そのサプライチェーンの上のさらに上にあるシリコンへ近づくほど、その全貌をつかんでいる人はほとんどいない、という不思議な事態になっていた。
そんな、現代生活でますます重要性を増すのに「謎すぎるシリコン」を知ることは、日本の産業にとっても大事だ。
では、その深淵な世界を見ていこう。
INDEX
  • LED照明も太陽電池も全部、半導体
  • 「純度99.99999%」でも使えない
  • 半導体に「盲点」があった
  • 日本が誇る「キングメーカー」
  • 「輸出がパタっと止まった」
  • 何もしない政府と、1兆円企業の胆力

LED照明も太陽電池も全部、半導体

デジタル(DX)とグリーン(GX)といえば、世界が向かう2つの巨大トレンドだ。
そして、シリコンは、その2つの中心である「半導体」と「太陽電池」という2つのテクノロジーを担う最重要の元素だ。