(ブルームバーグ): 今年の米国株上昇をけん引してきた「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるテクノロジー7社の決算が期待外れになっている。約2000億ドル(約30兆円)の時価総額が吹き飛び、S&P500種株価指数を調整局面に追い込む恐れがある。

グーグルの親会社アルファベットやテスラ、フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズはいずれも決算発表以降に株価が低迷しており、決算が好感されたのはマイクロソフトのみだ。アマゾン・ドット・コムは26日の通常取引終了後に決算を発表するが、オプション市場では同社株の1日の騰落率が8.1%になると予想されており、時価総額にして約1000億ドルが動くとみられる。

残り2社のアップルとエヌビディアは来月、決算を発表する予定。

この7社は人工知能(AI)にまつわる熱狂的な関心を背景に、今年の株式市場で話題をさらった。しかし金利上昇と中東での戦争を受けて楽観的な見方は弱まり、S&P500種は年初来高値から8.8%下落。強気相場の調整局面と定義される10%安が視野に入っている。

ただ、高揚感はまだ十分に残っている。マグニフィセント・セブンの影響が強いナスダック100種株価指数は、年間でなお31%上昇しており、下値余地は十分にある。

メタは25日の投資家向け電話会見で、マクロ経済環境に広告事業が大きく左右されるとの見解を示した。

メタ株が下落、2024年の見通し不透明とCFO-マクロ環境の変動で

アルファベットは25日に時価総額が1800億ドル近く減少した。前日に発表したクラウドコンピューティング部門の利益がアナリスト予想を下回ったためだ。1日での時価総額消失としては、同社では過去最大だった。今月にはテスラが決算の発表翌日に720億ドルの時価総額を失っている。

アルファベット株、20年以来の大幅安-クラウド部門の業績振るわず

今のところ、7社唯一の希望の光はマイクロソフトだ。24日に発表した7-9月期決算が予想を上回り、25日には時価総額が約750億ドル拡大した。

マイクロソフト、売上高が市場予想上回る-クラウドの成長回復

クラウドインフラでアマゾンに後れを取っているアルファベットとマイクロソフトは、自社のプラットフォームを顧客にとってより魅力的なものにする方法として、AIサービスの拡充を競ってきた。クラウドコンピューティングのリーダーであるアマゾンは、26日夕に決算を発表する。

原題:Big Tech Sheds $200 Billion in Value as Earnings Disappoint (1)(抜粋)

--取材協力:Tom Contiliano.

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