2023/10/26

【革命】食卓と環境を救う、サケの「陸上養殖」が来る

NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追う連載シリーズを開始しています。木曜日は「The Next Big Thing(次のサイエンス)」です。
INDEX
  • 工場内の水槽を泳ぐギンザケたち
  • 世界で進むサケ養殖の「陸上化」
  • いけす養殖の知られざる脅威
  • 環境コスト面でも陸上養殖に軍配
  • 陸上養殖の黒字化は目前
  • 環境にやさしい魚介類の見分け方

工場内の水槽を泳ぐギンザケたち

ひそかに、米国のサケ食に革命が起きつつある。
舞台はニューヨーク州北西部の小都市オーバーン。
工業地帯の片隅にある元工場で、養殖会社LocalCohoが進めている取り組みだ。
ここは国内でも数少ない持続可能なサケ養殖場で、30分ごとに淡水がバイオフィルターで再循環するコンクリート水槽の中を、5万尾のギンザケが優雅に泳ぐ
海洋環境を再現するため、照明は薄暗く深い青色に保たれ、まるでギンザケが光を放っているようだ。
LocalCohoのサケは淡水タンクで飼育され、30分ごとに排泄物を排出する循環水システムを採用している。その排泄物は肥料として利用できる。(Amrita Stuetzle for The New York Times)
養殖場に来たときのギンザケはオレンジ色の卵の山だった。