米国、イランに戦闘激化させないよう非公式ルートで警告-サリバン氏
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イスラエルとガザ地区の戦いの主役は当然、イスラエル政府とハマースです。
米国とイランは、主役ではありませんが、無理をすればこの戦いを止められるただ2つのアクターではあります。
ロシアや中国は、ほとんど関係なく、止める力もありません。EUや英国も、止める力はないです。日本は何の影響力もありません。
米国がイスラエルに全ての援助と兵器の売却を止めるといえば、さすがにイスラエルもガザ地区への攻撃を控えるでしょう。
もっとも、そんなことをしたら、バイデン政権がもたなくなると思いますが。
米国は、イスラエルのガザ地区攻撃を、止める力は、無いこともないですが、止める意思はありません。
それでいながら、イランに対しては、戦闘の拡大を止めるように求めています。
確かに、イランがハマースとヒズブッラーに、一切の資金と兵器の供給を止めるといえば、ハマースもヒズブッラーも、戦闘を止めるしかなくなるでしょう。
もっとも、そんなことをしたら、革命防衛隊によるクー・デタが起きるし、そもそも、資金も兵器も、動かしているのは革命防衛隊です。
確かに、米国もイランも、中東全域に戦闘が広がるような事態は避けたいはずです。
米国は、原油とガスの価格が上がって困るし、イランは体制存続の危機になります。
しかし、イスラエル・パレスティナ、レバノン、シリア、という盤面の範囲で抑えられる戦争なら、無理に止めようとはしないでしょう。イスラエル軍としては、ハマスと戦っているときに強大なイランが介入してくることなど、悪夢でしょう。しかし、米アクシオスによるとイランは「ガザ地区で地上戦を開始した場合、イランは何らかの行動を取る」「我々にはレッドラインがある」と通達しているとのこと。額面通りに受け取るなら今度の流れは
①イスラエル軍がガザ地区に地上侵攻
↓
②イランが介入して戦線が一気に拡大(こうなれば、もうこの戦争は「第5次中東戦争」と呼ばれるかも知れません)
ということになります。ですが、さすがにそれはイランも望んでいないはず、というのが大勢の見方です。ここで介入したら展開中のアメリカ軍との衝突まで視野に入ってくるし、泥沼に引きずり込まれたら、たとえイスラエル軍の行く手を阻んだとしても今度は自分たちが孤立にあえぐことになります。
ですが、個人的には正直、こればっかりは分からないと思って見ています。イラン(もしくはその勢力下にあるヒズボラ)は、やるかも知れません。介入を抑止する意味でこれまでのイスラエル軍は北部で部分的にヒズボラと衝突して死者が出ているし、イランの勢力下であるシリアでは空港への攻撃も実施しています。果たしてこれを見てもイラン(特に軍組織の革命防衛隊)は自制できるのか。正直、怪しいんじゃないかとも思います。
以下で解説しています。
【超入門】イスラエルとガザ、問題の「根幹」を理解する
https://newspicks.com/news/9049415/body/米国がイランに警告しても詮無いこと。言うことを聞くはずもなく。そもそもハマスのバックにはイランがいるわけで。ということで当面ハマス・イスラエル紛争は長引く可能性が高い。手を挙げたのだからトルコは早く調停に乗り出したらいいのに。しかし、この国は機を見るに敏だとつくづく思う。