【超入門】イスラエルとガザ、問題の「根幹」を理解する
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「根幹」というのは、
まず、イランの勢力拡大政策で、特に2003年の米軍のイラク侵攻、そして2012年からのシリア内戦で、結果的に、イラクの(革命防衛隊の)勢力が西の方へ広まっていき、イラク、シリア、そしてレバノンがイランの強い影響下に入ったことです。
イスラエルはイラン系勢力に北側を囲まれることになりました。
イランの拡大政策を無視して、イスラエルとパレスティナの話をするのは無理です。
もう1つは、エジプトのムスリム同胞団が、「アラブの春」で一時選挙に勝って政権を取ったものの、2013年のエジプト軍のクー・デタで壊滅したことです。
また、シリアのムスリム同胞団も、シリア内戦で敗れ、壊滅しました。
ハマースはもともとは国際的なムスリム同胞団の一部でしたが、ムスリム同胞団が各地で壊滅し、資金と兵器を供給してくれるのがイランだけになりました。
この結果、2010年代からハマースはイランの拡大政策に組み込まれて駒として動かされるようになり、シリアに駐留するイラン系武装勢力、レバノンのヒズブッラーと隣国間で連携しながら、イラン統率下のイスラエル対策に使われています。
ハマースが攻撃に出るのは、イランの(革命防衛隊の)意向ありきで、イランから来る指示は、イランの自国防衛と体制維持、というイランの利益に基づくものです。世界中が今、イスラエルに注目しています。
民間人が大量に殺戮されたパレスチナのイスラム過激派勢力ハマスの攻撃から一週間、イスラエル軍の報復を続けています。ガザ地区の絶え間ない空爆で、双方の死者は既に3500人となっています。これだけでも第四次中東戦争以降最多の死者数で、間違いなく歴史に残る紛争です。
しかし深刻なことに、この紛争はまだ「入り口」にしかすぎない段階です。イスラエルは「ハマスを壊滅させる」と宣言して、今週中には地上戦を本格化させる見込みです。
ではなぜ、この地上戦に注目しなければならないのか。そして、この先我々が目にするものとは一体何なのか。イスラエルの退役軍人や国際政治の専門家など、取材を尽くした上で今言える内容をギュッとまとめてみました。
そして、重要な視点がもう一つ。そもそもなぜ、イスラエルとパレスチナは対立し続けるのか。その中でハマスとは一体何者なのか。
こうした点も合わせて動画で解説しています。ぜひご覧ください。当面続くこの危機を理解していくために、最低限必要な過去と今の基本情報をコンパクトにまとめ、さらに今後数週間の見通しから中長期を見るポイントまで、キアラシ記者が短時間でわかるように解説しています。ぜひご覧ください。