経常収支、8月は2兆2797億円の黒字 市場予想下回る
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より限界的な動きが確認できる季節調整値で見ると、経常黒字は前月比で4割以上減っています。
最大の要因は振れの大きい第一次所得収支の黒字幅縮小ですが、貿易収支もサービス収支も赤字幅を拡大させており、これまでの経常収支の黒字幅拡大が反転した様相を呈しています。
元々、日本の経常収支は円建て原油先物価格に逆相関で遅れて連動する関係性があり、このところ円安・原油高が進んでいることからすれば、しばらく日本の経常収支は黒字幅を縮小するトレンドとなる可能性があるでしょう。前年比で原油高も円安も進行していることを思えば、貿易サービス収支の改善基調はここからはっきり反転し、それが経常収支全体の足枷となるでしょう。元々CFベースでは円売り超過ですから、ファンダメンタルズとして需給は円売りは当面堅そうです。
今後もハマス・イスラエル戦争のあおりで原油高が続き、日本経済は中東産油国への所得流出を強いられるのでしょうか。
日本が余計に支払ったお金が、サウジアラビアやUAEに巨万の富をもたらし、それがこれらアラブ諸国とイスラエルとの外交関係の改善の背景にあり、また、ハマスの「置いてきぼり感」「孤立感」の遠因になったのだととしますと、日本経済は、不幸の悪循環に陥ってしまっているようにも思います。