イエレン長官、米債急落による市場の「機能不全」見られない-報道
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和訳のせいかもしれませんが、債券の下落は、むしろ債券市場が「機能している」からこそ起こること。問題は、どこかで目詰まりが起こって、突然資金の流れが止まるかどうか。
今のところ、こうしたショックが発見していないというのはその通りですが、それは明日、来月、ショックが発生しないことを意味しません。読めないからこそショック。
注目のコメント
インフレ抑制のためFRBが引き締めを行えば、市場と景気に一定の影響が出るのは当然です。米国が今回と似たインフレに見舞われた1970年代から80年代の初めにかけて、FRBはインフレが小康状態になり市場が動揺するたび引き締めの手を緩めてインフレを再燃させ、ついにはボルカーFRB議長(当時)が政策目標を金利から資金量に変えて金利を上げるに任せ、米国にリセッションをもたらしメキシコを皮切りに中南米諸国を次々財政破綻に追い込む事態になりました。1960年代の終わりから70年代を通じ、引き締めのストップ・アンド・ゴーを繰り返してインフレ心理の定着を招いた結果です。ボルカー元議長の英断でようやくインフレが収まり米国はその後の長い成長の礎を築いたわけですが、米国のビジネススクールと日本の銀行の国際企画部門に身を置いて目にした当時の混乱とFRBへの怨嗟の声は、大変なものでした。
政権、企業経営者、労働組合等の批判を受けてストップ・アンド・ゴーを繰り返した1970年代の歴代議長と違ってボルカー元議長が厳しい引き締め策を取れた背景には、時のカーター政権が強力な引き締めを支持したことがあったと言われています。前FRB議長で政権の中枢にいるイエレン財務長官も、ここで再びストップ・アンド・ゴーを繰り返してインフレ心理の定着を招く訳にはいかないという思いがおありなんじゃないのかな・・・ 金利を上げれば市場と景気が一定程度冷えるのは当然で、異例なことではありません。1980年代初めのような混乱を引き起こすことなくインフレを抑えて軟着陸させることが出来るかどうか、米国経済とFRBの舵取りは正念場を迎えているように感じます。