(ブルームバーグ): アジア時間9日午前の取引で原油価格は5%急伸。パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスによる週末のイスラエルへの攻撃を受け、世界の石油供給量の3分の1近くを占める中東で緊張が高まる恐れがある。ハマスの攻撃はこの数十年で最も広範囲なもので、多数の死者が出ている。

戦争リスクプレミアムが市場に戻り、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は1バレル=87ドル付近で取引されている。今のところ中東地域にとどまっている暴力行為がエスカレートすれば、米国とイランを巻き込んだ、より壊滅的な代理戦争が勃発するのではないかとトレーダーは懸念している。

イスラエルでの今回の出来事が直ちに供給への脅威になるわけではない。ただ、イラン関与の疑いが伝えられる中で、イランに対する報復の可能性が高まれば、海上輸送の重要な動脈であるホルムズ海峡を巡る懸念が強まる恐れがある。

米国は空母打撃群をこの地域に向かわせている。

イスラエルとハマス戦闘、死者1100人超える-代理戦争懸念で原油急伸

WTI先物11月限はシンガポール時間午前9時6分(日本時間同10時6分)現在、5.1%高の1バレル=86.98ドルで取引されている。先週は約9%下落していた。

ブレント12月限は5%上昇の88.84ドル。

原題:Oil Jumps as Hamas’ Attack on Israel Fans Middle East Tensions(抜粋)

--取材協力:Jake Lloyd-Smith、Linus Chua.

(価格を更新します)

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