羽田出発のトルコ機、誤って都心上空を飛行…東京タワー・築地場外市場・月島駅など経て東京湾へ
読売新聞
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飛行機はふつう、離陸そのものはパイロットの手動操作で行い、離陸が順調に行われて着陸装置(いわゆるタイヤ)が格納された頃合いで自動操縦に切り替えます。自動操縦に切り替えた後は、事前に公示されている飛行方式で航空路まで上昇していきます。今回は本来であればお台場を旋回して東京湾上空を飛行し、浦安の南を通ってその後江戸川放水路の上空を飛行するような経路で上昇する経路を辿るべきでした。
しかし当該便の航跡データを見ていると、離陸してすぐに右旋回すべきところ、むしろ少し左に旋回したあとそのまま北西に進み、品川駅や東京タワー上空まで食い込んでしまったというものになります。離陸後すぐに自動操縦に切り替える過程でうまくいかず、あたふたしているうちに飛行機がまっすぐ進んでいってしまった、気が付いたら都市の上空を飛んでいたので慌てて手動操縦のままとりあえずいったん東京湾へ戻るような形で飛んだ、という筋書きはなんとなく描くことができます(ちなみに航跡データを見ている限り、離陸後20分ほどして長野県付近まできてようやく完全に自動の航法に移行したような形になっていました)。
当日はやや強い北東風でかつ雨も強めに降っており、離陸の滑走路が北西向きか北東向きかが予想しにくい状況でした。北東向きの滑走路のほうが向かい風で風向きが良いため、これを期待して出発したところ急に北西向きの滑走路を指定され、アビオニクスのデータをきちんと入力することができなかったのかもしれません。アビオニクスには2通り経路を入力できるので、北東向きか北西向きか二つ分作っておけば良かったのですが、不慣れな羽田、制約も多く、天気も悪く、不運が重なったかなという感じは否めません。