「国境の壁」再開認める バイデン政権、政策転換
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現実的に国境管理が難しくなり、民主党支持が多い州や受け入れをしている都市部からの要求という現実的な打算からの判断ですが、この決定を支持者全体はどう見るか。「柔軟な対応」として、プラスにみるのか、「公約破り」とみるのか。「トランプ政権時代の19年に作られた法律で義務づけられている。それに従っただけ」「壁に効果はない」と報道官は苦しい記者会見。前者については「それではなぜこれまで建設をしなかったのか」ということになります。一方でトランプや共和党側からみれば「してやられた」ということなのかと思います（対応が遅いとしてさらなる批判も続きますが）
米国政府によると、2022年10月から2023年8月まで、メキシコ国境から不法に米国へ入国したのは、24万5000人とのことです。
不法入国というのは、入国管理を通らないで入国するから不法なので、完全に把握できている訳ではなく、実際はこれより多い可能性が高いです。
ヨーロッパへもそうですが、米国へ不法入国する人々は、増え続けています。中南米各地から、アフガニスタン人やシリア人、中国人なども含め、数万人の人々が毎月米国目指して北上し、パナマの地峡を越え、米国に流れ込み続けています。
バイデン大統領は、2021年1月、トランプ政権がメキシコ国境の壁建設のために確保していた予算、13億ドルの使用を凍結しました。
この内、2億ドルについては、支出するならば2023年9月末までに使ってしまわねばなりませんでした。
壁をつくったところで、どれだけ流入が減るかはわかりませんが、予算の兼ね合いもあり、もちろん流入する人々の数が増え続けている（それは米国の南部など一部では問題視されており、来年の大統領選挙にも影響します）こともあり、バイデン大統領も壁建設再開に動かざるをえませんでした。
https://www.nytimes.com/2023/10/05/us/biden-border-wall-waiver.htmlこれは民主党支持者から見ると裏切りなんだろうな…。それでもテキサス州知事などが移民をバスに乗せてリベラルな都市に移民を送り込むといったことをやったことで、民主党支持者の間の雰囲気も変わってきているのかもしれない。バイデンのギャンブルだが、今のところ大きな波紋は呼んでいない。
