9月も“異例”の暑さ 平均気温125年間で最も高く 7・8月に続き
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9月は上旬中旬とジェット気流が夏場のように北上しており、なかなか秋の空気に入れ替わらなかったという事情はありました。そして特に日本近海の海面水温が高かったことがこの記録的高温の大きな原因と考えられます。すでに日本近海の海面水温が高い状況は今年の春先から続いており、暖流である日本海流(黒潮)の流れが例年なら千葉県の銚子沖程度までのところ、今年は三陸沖まで到達する状況となっていることが大きな理由と考えられていますが、それ以外にも日本海や東シナ海でも海面水温が夏以降に高くなっていますので、ジェット気流が南下せず暑かったことにより海面が暖められた作用と、また暖かい海面のために空気も暖められてジェット気流が南下しにくくなった作用などそれぞれが重なり合って複雑な大気海洋相互作用となった状況が想像されます。太平洋と日本付近の気圧や降水に注目したPJパターンという大気海洋相互作用がありますが、おそらくこのパターンがかなり効いているように思われ、今年の東アジアの夏の天気の特徴をよく示しているように思われます。東太平洋で顕著になってきたエルニーニョ現象の遠い影響もありそうです。
地球温暖化によってベースが上昇しているという状況もありますが、ここまでの記録的な高温となったのには前述の黒潮やPJパターンなどの影響が大きいように思われ、温暖化とこうした大気海洋相互作用を取り分けて分析することが求められています。
今後についてもしばらくエルニーニョ現象などの影響は受けると考えられ、日本においては教科書的には暖冬となりやすい気候となることが想像されます。冬場の寒気で海が冷えるというのも重要な大気海洋相互作用なのですが、今年は冬場にかけてもその作用が弱くなってしまいそうです。やはり9月の暑さは異常だったんですね。今年の夏は、日本最高気温こそ更新はしなかったものの、慢性的に暑い状態が長く続きました。まだしばらく平年より暖かい状態が続きそうですね。