(ブルームバーグ): マッカーシー米下院議長(共和)が連邦政府機関の閉鎖回避のため民主党との妥協に動いたことを受け、共和党内の保守強硬派から議長解任を目指す動きが出てきた。

ゲーツ下院議員(共和)は1日、議長解任の動議を週内に提出すると述べた。これに対し、マッカーシー議長はCBSニュースとのインタビューで、自分は解任の動きを乗り切るだろうと語った。

ゲーツ議員はCNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で「私はマッカーシー議長の解任動議を今週提出するつもりだ」と発言。「われわれは思い切って行動しなければならないと思う。信頼の置ける新たなリーダーと共に前進する必要がある」と語った。

上下両院がつなぎ予算案を可決してから、わずか数時間後にゲーツ議員はこうした意向を示した。

同議員は、マッカーシー氏が推進した超党派のつなぎ予算案には共和党の保守強硬派が要求してきた大幅な歳出削減が盛り込まれていないと指摘し、それが解任動議提出の方針につながったと説明。マッカーシー氏を議長に選出する上で取り交わした一連の約束を、同氏が破った最新の事例だと述べた。

ゲーツ氏は「これは個人的な問題ではない。歳出を巡る問題だ」と発言。「ケビン・マッカーシー氏がまとめた取引に関することだ」と述べた。

一方、マッカーシー氏はCBSの番組「フェース・ザ・ネーション」とのインタビューで、闘う準備はできていると発言。もしゲーツ氏が「政府閉鎖に追い込むつもりでいて、私がそれを阻止したから怒っているのなら、闘おうではないか」と話した。

マッカーシー氏が解任を回避するには下院議員の単純過半数票が必要。共和党は僅差で多数派となっており、民主党が解任を支持した上で共和議員5人が造反すれば解任が可能になる。

つなぎ予算案に反対したドナルズ下院議員(共和)はFOXの番組で、「率直に言って下院では今、信頼に関する多くの問題がある」とし、マッカーシー氏は窮地に立たされていると思うと語った。

マッカーシー氏が解任を回避できた場合でも共和党内の反対派はいつでも新たな投票を求めることができるほか、法案の審議入り阻止も可能。このためマッカーシー氏は民主党とのつながりを維持するか、あるいは保守強硬派との溝を埋めるか、いずれかが必要になる。

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原題:McCarthy Faces Attempt by Far Right to Remove Him as Speaker (2)(抜粋)

(マッカーシー氏のコメントなどを追加して更新します)

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