Michael S. Derby

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、インフレ圧力は依然として高いものの、目標の2%に向かって戻りつつあることから、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを終了する可能性があると述べた。

講演の準備原稿で同総裁は「私の現在の評価では、フェデラルファンド(FF)金利は目標レンジのピークか、それに近い水準にある。需給バランスを完全に回復させ、インフレ率を望ましい水準に戻すためには、しばらくの間、金融政策の制限的なスタンスを維持する必要があると予想している」とした。

その上で、将来に対する不確実性は依然として高いため、「われわれの決定は、いつも通り、目標をしっかりと見据えながら、データによって導かれる」と述べた。

米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.9%と、前月の4.3%から減速し、2021年6月以降で初めて4.0%を下回った。

同総裁は、「インフレ率は昨年のピークから下がってはいるが、まだ高すぎる」と指摘した上で、2025年にはインフレ率が目標の2%に「近づいている」との見通しを示した。

今年のインフレ率は3.25%で、来年は2.5%に低下すると予想した。