Kentaro Sugiyama

[東京 29日 ロイター] - 政府が29日に発表した8月の雇用関連指標は、完全失業率が季節調整値で2.7%、有効求人倍率が1.29倍となり、ともに前月から横ばいとなった。総務省の担当者によると、より良い条件の仕事を求めていったん離職する「自発的な離職(自己都合)」が増えており、労働市場環境はそれほど悪くないという。

完全失業率はロイターの事前予測調査で2.6%、有効求人倍率は1.29倍と見込まれていた。

総務省によると、8月の完全失業者数は185万人で、前月から1万人増えた。内訳では「新たに求職」が2万人、「非自発的な離職」が6万人それぞれ減少した一方、「自発的な離職」が6万人増えた。

<コスト増が採用活動に与える影響を注視>

有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。厚労省によると、8月の有効求人数は前月から0.1%増加した一方、有効求職者数は0.2%減少した。

経済が正常化に向かう中、足元で新規求人は増加しており、「雇用環境が悪化しているわけではない」(担当者)という。9月も物価高や光熱費など各種コストの上昇が企業の採用活動に与える影響を注視していくとした。