企業保険、100社超で事前調整か 損保4社が当局に報告へ
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私自身、公正取引委員会独占禁止懇話会メンバーを務めていますが、損保の事前価格調整については、1994年に公正取引委員会が警告を出した事例があります。損保業界、企業向け保険は4社でシェアが9割を超える寡占状況となっています。そもそも業界構造として競争が制限されやすい状況にあるなかで、損保各社には、普段からより慎重な競合他社との情報交換等が求められていると思います。ちなみに独禁法では、情報交換自体についても、価格や数量など、その業界やマーケットにおける競争にとって重要な情報交換などが状況によって違反の対象となってくるので要注意です。
東急グループの企業保険で発覚した時から、1社に留まらず複数社で行われていたのだろうと感じていました。事の性質から、対象企業の業種は関係ない。例えばジャニーズ問題のように芸能界特有ということはありません。また、特定の企業、例えばビッグモーターのように体質が特殊だからこそ起こる事象でもありません。
共同保険、つまり複数の保険会社が共同して保険契約を引き受けるというしくみですし、本来はすべての保険契約者にとって公平なはずの「保険料」という部分に入札という価格競争を導入している構造自体にも違和感があります。金融商品を買うのに複数の金融機関から手数料の提示を受け、純粋に手数料の安さで1社に絞るのではなく、提示してきたすべての金融機関から金融商品を買うみたいなものですからね。シンジケートローンを借りるのに、シンジケートを構成している金融機関の金利がバラバラだとして、では金融機関側はどのようにして利益配分をするのかみたいなものです。「(略)独占禁止法の趣旨に反する不適切な行為があった取引先の数が少なくとも計100社超にのぼることが27日、分かった。」
1社にとどまるような話でもないんだろうなと思ってたら100社超……
共同保険で幹事会社を決めるときなんて会社同士で持ちつ持たれつの関係になりやすそうだし、その流れで保険料の調整もあったんだろうなーと。
ソースとして弱いけど、wikiの共同保険に関する記載にはこんな一文も。
「形式上、保険契約者が幹事保険会社を指名することになっているが、実態は保険会社・代理店がアドバイスするなど、保険会社主導で幹事保険会社が選定されることも多い。」