2023/10/3
【山崎元】がん再発で余命宣告「半年から1年」で何ができるか
人生の「探求者」たちのエピソードから、自分らしく、しなやかに生きるヒントを探る連載「Life Quest(ライフクエスト)」。
今回登場するのは、経済評論家の山崎元氏。
金融業界を渡り歩いたあと、資産運用や転職など幅広い分野で書籍を出したり、メディアに出演し、ポジショントークなしの金融・投資情報を、誰にでもわかる形で世の中に届けてきた。
今年2月、昨年から食道がんを患っていることを公表。その後も、抗がん剤などの治療を進めながら、執筆や講演など精力的に活動を続けている。
余命宣告を受けた今だから見える人生論、そして、ぶれないお金の哲学について、NewsPicksに余すことなく語った。(全5回)
- 再発判明で「余命は半年から1年」
- 「予想」と「希望」を強く分ける
- がんは付き合いにくい病気ではない
- 制約があるから「毎日の価値」がわかる
再発判明で「余命は半年から1年」
昨年10月に外科手術をして、今年1月には体力が7割くらいまで回復していました。
ですが、今年3月下旬、がんの再発がわかりました。
この頃は、外科手術も無事に終わり、がんが治っている途中でした。
また、息子が志望大学に合格するなど、がんになって以来、一番と言っていいほどうれしい時期でした。
少し良い風も吹いてくるのではないかと思っていた矢先、急に声が出なくなったのです。
声が出ない状態が何日も続いておかしいと思い、病院で調べると、がんが多発転移(複数の別の臓器に転移)していることがわかりました。
遠隔転移しているということでステージは4段階中の4。余命は、短ければ半年とか1年も覚悟しなければいけない状況だということが判明しました。
(写真:iStock/wutwhanfoto)
「予想」と「希望」を強く分ける
再発が意味するのは、「持ち時間の射程がさらに短くなる」ということです。