(ブルームバーグ): 米アップルは今月、スマートフォン「iPhone」用ケースや時計バンド用の新素材「ファインウーブン」を発表した際、「ほのかな光沢とスエードのような柔らかな手触り」を持つ画期的なレザー代替素材だと紹介した。だが、消費者や批評家はそのようには受け止めていない。

ファインウーブンは、傷や汚れがつきやすいと酷評されており、滑りやすい点を不満に思う人もいる。アップル製品をカーボンニュートラルにしようという高尚な取り組みとして開発が始まったこの素材は、今や同社にとって今年最大の失策の一つとなる恐れがある。

アップルはファインウーブンについて、リサイクル素材を68%使用した全く新しい布地だと説明。これは、iPhoneケースやスマートウオッチ「Apple Watch」用バンドを含む同社の製品ライン全体からレザーを段階的に廃止し、同社の世界事業全体でカーボンニュートラルを目指す取り組みの一環だ。

しかし、ファインウーブンはまだ最初のハードルをクリアしていない。誰よりも早く製品を手に入れたアップルの熱狂的ファンたちを味方につけていない。

そんなユーザーの一人で、ウェブサイト「MacStories」を運営するブロガー兼ポッドキャスターのフェデリコ・ビティッチ氏は、夕食に出かけた後にファインウーブンのケースにシミを見つけたと交流サイト(SNS)のマストドンに投稿。「正直言って、これはアップルが製造したアクセサリーの中でも最悪の部類に入ると思う。もう捨てようかな」とコメントした。

「MobileReviewsEh」がユーチューブに投稿した製品レビュー動画は、ケースの傷つきやすさを説明。また、「512 pixels」のブロガーは、ケースの穴がiPhoneのポートやスピーカーにぴったり合っていないと指摘した。テクノロジー関連ニュースサイトのザ・バージのレビュー担当者は率直に「ファインウーブンは非常に悪い」と述べている。

アップルの担当者にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

原題:Apple’s FineWoven Fabric Emerges as Its Biggest Misfire of 2023(抜粋)

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