三菱ケミカル、半導体材料の国内工場 TSMC進出で商機
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三菱ケミカルは、ArFレーザーリソグラフィ用のフォトレジスト材料に使う素材(感光性ポリマー)を量産するというニュースです。フォトレジストは、ウェーハに塗布する場合、ウェーハ上に均一にコーティングできるようにウェーハを回転させるスピンコート法を使います。その時にレジストの粘度や密着性、ベーク温度などを調整するため、感光材の他に溶剤も混ぜます。半導体メーカーの要求に合うような仕様のフォトレジストを製造するのが、JSRや東京応化工業、信越化学工業などのフォトレジストメーカーです。三菱ケミカルの素材はフォトレジストメーカーに納入します。同社の感光性ポリマーはフォトレジストの性能を決める重要な素材です。フォトレジストは日本メーカーが強いのですが、三菱ケミカルはDuPontやBASFなどの海外勢にも販売できますので、世界を制覇してほしいものです。
九州の「シリコンアイランド」復活に向けた動きがさらに広がっていますね。
半導体の素材~半導体そのものを国内で製造できるように進んでいます。
・三菱ケミカル:半導体材料工場
・ソニー:数千億円、TSMCの工場近くにスマートフォン向け画像センサー工場
・三菱電機:電気の制御を担うパワー半導体の分野 福岡市で存在感
・京セラが:約620億円を投じて諫早市に半導体部品の大型工場建設を決めた
また、九州経済産業局では半導体の教育にも力を入れています。「九州半導体人材育成等コンソーシアム」と題して、学生に対する半導体学びの場を可能な限り提供し、人材育成に取り組み始めています。これをきっかけに、半導体を学んだ学生や社会人(Uターンを含む)が、九州で働くことを望み、安心して生活できる就業環境を整備のきっかけにしていきます。
ちなみに、地価調査で熊本・大津町が全国1位で上昇率30%を超えています。TSMCもラピダスも政府が音頭を取って巨額の財政資金をつぎ込んで進めています。政府見通しでは2030年には半導体生産額は5兆円から15兆円へと3倍に増加します。このニュースのようにサプライチェーン全体が太くなるのはまあ当然でしょすね。しかも、TSMCは第4工場まであると見られています。より重要なのは、この半導体を使う工場が日本国内に立地する可能性が高いということです。それはラピダスの出資企業であるソフトバンク、トヨタ、デンソー、ソニー、NTTなどではないかと見られています。