2023/9/23

【ワンピース】黒歴史から学ぶ、「世界超ヒット」の真相

Patrick St. Michel
フリーランス ジャーナリスト
この記事は、日本にいると逆に見えてこない、日本のポップカルチャーの世界でのポテンシャルをお伝えする連載「Japan Rising」の最新回です。
INDEX
  • ネトフリ史上、最強のデビュー
  • アニメ実写化「黒歴史」の真相
  • ネトフリが「失敗の歴史」から学んだこと
  • 日本が得られる「ヒットの法則」

ネトフリ史上、最強のデビュー

世界最大の動画ストリーミング配信Netflixが、日本の人気シリーズ『ONE PIECE（ワンピース）』の実写映画化を発表したとき、多くの疑念が渦巻いた。
この海賊版中心の漫画とアニメに関する日本以外のファンからの反応は、「大惨事を覚悟」とまでは言わないものの、よく言っても冷めたものだった。
彼らが心配するのも無理はない。
なぜなら日本のアニメやゲームの欧米での実写化は失敗の歴史であり、その中にはネットフリックス自身による失敗も含まれているからだ。
しかし、このNetflixの『ワンピース』実写化の賭けは、8月の最終日で配信が始まるやいなや、歴史に残る快挙を成し遂げた。
Netflixが公開した視聴データによると、全8話からなる第1シーズンは、同じく大人気のオリジナル作品『ウェンズデー』や『ストレンジャー・シングス』を抑え、Netflix史上最大級のデビューを飾った。