Miho Uranaka

[東京 21日 ロイター] - 東京証券取引所は21日、旧日立系半導体製造装置メーカー、KOKUSAI ELECTRICの上場を承認したと発表した。プライム市場に10月25日に上場する。

想定価格の1株当たり1890円に基づく上場時の時価総額は4300億円超の見通し。LSEGのデータによると、2018年のソフトバンク以来の大型上場となる。

KOKUSAIは同日、5884万株を売り出すことを決議。オーバーアロットメントによる追加売り出し分を含めた総額は最大1279億円となる。親会社の米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が保有株の一部を売却する。追加売却分を除いてKKRの持分は73.2%から47.7%まで低下する見込み。

KOKUSAIは成膜技術を軸とした半導体製造装置の専門メーカー。18年に日立国際電気(東京都港区)から独立した。

21年には、同業の米大手アプライドマテリアルズが中国独禁法当局の承認を得られず、買収を断念。株式上場も選択肢の1つとして準備を進めてきたが、世界的な株式市況の悪化なども影響し上場の先送りが続いてきた。

半導体業界の国際団体SEMIは、23年の前工程の半導体製造装置の販売額が前年比約15%減少するとみる一方で、24年は同15%増を見込む。

IPO市場では、ソフトバンクグループ傘下で英半導体設計企業のアームが14日に上場し、初日の終値が新規株式公開(IPO)価格を約25%上回って時価総額が650億ドルとなり、追い風との見方もある。

KOKUSAIの23年3月期の連結売上高は2457億円。上場により信頼性を向上、資金調達手段を多様化し、優秀な人材を確保するのが狙い。

(浦中美穂)

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