ユニクロ柳井正会長が語る 企業のサステナビリティの本質とは
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これまで事業の外側で行ってきた社会貢献活動ではなく、付け焼刃的な事業内容の変更でもなく、自社にとってのサステナビリティに関連した重要課題を特定し、これに対応するために経営戦略的な階層から変革を行っていくのが「サステナビリティ経営」と言われていますが、柳井氏が自身の言葉で語るとこのような形になるのだと思います。
「世界最高の小売業とは、「お客様が欲しいものがいつもある」ということです。 」という言葉について、以前の製造小売業では大量生産により在庫を切らさないことでそれを実現しようとしていたわけですが、過剰在庫は大量廃棄に繋がり持続可能ではないと感じる生活者が多くなっていますし、これ自体がユニクロの財務状況を圧迫してきました。サステナビリティに目覚めたユニクロは、「お客様が欲しいものがいつもある」をこれまでと違う方法で実現しようとするのではないかと期待します。柳井会長の「顧客に喜んでもらうことを通じ社会全体に役立ち、それをグローバルにも展開していく志」というメッセージはシンプルで明快ですが、他の普通の企業ではその実践がなかなか難しいだけに、実に重みがあり、深い含蓄がありますね。
原材料を調達する取引先などを含むステークホルダー全体のサステナビリティについても、会長のお考えを伺ってみたかったです。「社会貢献につながる活動を行う部署」や、利益を出すためでなく「社会貢献のためだけに始めた事業」などの存在は、企業の中で重要な役割を担っている一方で、実は順番が逆で、本来ならば事業そのものの活動を通して、“社会にとって良いこと”につなげていかなければならないのだと思います。
実態が伴っていないのに「社会貢献」や「サステナビリティ」のアピールだけをしていても、当然見透かされてしまいます。