2023/9/18

【ちゃんみな】世間が求める「美しさ」なんて、くだらない

NewsPicks 記者・編集者
またひとつ、長らく常識として定着してきた価値観が、見直され始めている。
人の外見を重視し、見た目で人を評価・判断したりする「ルッキズム」だ。
映画やドラマ、マンガなどでルッキズム批判をテーマにしたものが続出している。
例えば、Netflixで話題を呼んでいる韓国ドラマ「マスクガール」は、外見に自信を持てない女性を主人公にした、ルッキズムを痛烈に批判するミステリー作品。
その他にも、さまざまな作品が世に送り出されており、社会の変化の勢いを感じる分野だ。
しかし一方で、現実の世界に目を向けると、まだルッキズムが私たちの生活に深く根付いている。
知人からの言葉に傷ついたり、過度に体型や髪型にこだわるあまり、自分を追い込んでしまったり。
「人は見た目じゃない」とは言うものの、街角でもネット上でも、まだまだ私たちは容姿に関する情報に囲まれているのも事実だ。
さて、これから私たちは、どうルッキズムと向き合おうか。
そんな難しいテーマに対して、正面から切り込むアーティストがいる。
音楽を通して自分の意見を世間に投げかけ続ける、24歳のラッパー・ちゃんみなだ。
17歳でデビューした当初、彼女に寄せられたのはほとんどが楽曲ではなく容姿への誹謗中傷だった。
「とにかく、毎日絶望していました」
そんな苦しい日々を乗り越えリリースしたのが、現代の「美の概念」に対する違和感や皮肉を歌った「美人」だ。
私は忘れないあの嵐
あの時私はまだセブンティーン
あの時言ったよな
You can’t be beautiful
You can’t be famous
醜いブスが歌ってんじゃないよ
あの時狂った精神に才能が開花
味わった幸も不幸も一般じゃなかった 
         ──「美人」より
ちゃんみなの言葉から、ルッキズムを考えるためのヒントを探ってみたい。
INDEX
  • アーティストなのに「外見批判」
  • ルッキズムとの向き合い方
  • 自分の「好き」に敏感に
  • 「死」から逆算して生きる
  • 自分のため、世のため、私は戦う

アーティストなのに「外見批判」