Elizabeth Pineau

[パリ 15日 ロイター] - 米アップルはフランスの「iPhone12」ユーザー向けにソフトウエアのアップデートを行うと発表した。同モデルを巡っては、放出される電磁波が基準値を超えているとして仏当局が販売停止を命じていた。

仏政府はソフトのアップデートは迅速にテストされ、販売が再開されるとの見通しを示した。

アップルは発表文で「仏規制当局の規定に従ってフランスのユーザー向けにソフトをアップデートする」とし、これにより引き続きiPhone12を入手できると説明した。

ただフランスの電磁波調査の結果は受け入れず、アップデートは規制当局の規定に関連したもので、安全性の懸念ではないと強調した。

一方、フランス以外の一部の欧州諸国でも同様の措置を講じる必要が出てくる可能性がある。仏当局の警告を受け、欧州全体に懸念が広がっているためだ。

ベルギー当局は独自の事前審査に基づきiPhone12はユーザーに危険を及ぼすものではないとしながらも、アップルに対し欧州連合(EU)加盟国全体でiPhone12のソフトウエアをアップデートするよう要請したと発表した。

また、ドイツはEU全体の解決策を探るためにフランス当局と連絡を取り合っているとしたほか、イタリアはアップルに対し、iPhone12のソフトウエアを国内でアップデートするよう要請する予定という。

オランダ当局も、2週間以内に独自の調査を実施する予定で、アップルのほか、ドイツ、フランスの当局とも連絡をとっているとした。