ウクライナ国防相更迭へ 汚職疑惑で引責か
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ウクライナ軍、ウクライナ国防省の中の様々なところで汚職が起きているのは確かです。
戦時中の軍隊は、膨大な経費がかかり、日々、多くの業者が出入りします。軍服、食料、ガソリン、その他日用品、を50万人の兵士が毎日消費します。
その出入り業者を選定するにあたって、ワイロを取れば一財産築ける、というのは、旧ソ連圏では常識的な発想です。
〈賄賂〉のある暮らし 市場経済化後のカザフスタン
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b479976.html
レズニコフ国防相の責任というよりも、ウクライナ社会の隅々まで常識となっている、ワイロの習慣を、ゼレンスキー政権になって、戦時中になったからといって、払拭できているわけではない、ということになります。
後任の国防相となるウマーロフ氏でも、よほどの人事更迭を伴う綱紀粛正でもしなければ、ワイロの習慣を減らすことはむずかしいでしょうが、それは戦争機関が機能不全を起こす規模の話です。
欧米諸国から膨大な金額の支援が入ってくるようになったことは、ワイロの習慣をむしろ加速させました。
徴兵事務所は、徴兵から逃れたい男性からワイロを取ります。
ワイロの習慣は、戦争という巨大な組織活動の効率を悪化させます。
これはロシア側でもウクライナ側でも起きていることです。
もともとの国力+外国からの支援、これに国家機関の効率性をかけ合わせた量的な戦いで、上回った方がこの戦争の勝者になります。
ウクライナが、どれだけ民主的で、清廉で、効率的な国家機関であることでロシアを上回ることができるか、という勝負でもあります(ウクライナ側がこの点においてそんなに完璧ではないことは、従来からわかっていることです)。ウクライナでは汚職がひどいというのはよく知られたことです。ゼレンスキー大統領がタレント時代に主演したドラマ「国民の僕(しもべ)」でもそうした問題は描かれていました。
さて、現実に目を向ければ、ロシアとの戦争が続く中、国防相が汚職疑惑で更迭となれば、作戦の指揮などに影響がないとは言えないでしょう。反転攻勢のさなか、それでもその要の一人である人物を更迭するのは、問題がよほど深刻だったとも考えられます。
また、これまで度々、ウクライナがEUに加盟を希望した際にも、汚職対策を強く求められていたと記憶しています。
作戦への再集中、支援を受けている欧米に対する姿勢の両面を考えても、早期に疑惑に対処する姿勢を示す必要が、ゼレンスキー政権にはあったのではないでしょうか。私の住んでいるフィリピンでもそうですが、発展途上の国では汚職が多いです。
しかし、賄賂が普通の国では、むしろ賄賂払った方が早く安く物事が進みます。
ウクライナの場合は戦争中なので、汚職は命を懸けて戦っている兵士に示しがつきません。
見つけたら厳しく罰すると思いますが、無くなることはないと思います。