宇宙ビジネス活性化へ、JAXAを通じて企業・大学に100億円支援の方針
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低軌道の小型衛星、と言う選択肢が登場して、宇宙ビジネスは様相を変えたように思います。 人工衛星、頑張れば結構作れますよ。みなさんもいかがですか?現状、儲からないですけれども……。
信州大学で作った小型衛星、信大衛星ぎんれいに少し関わったことがあります。
人工衛星、結構頑張れば作れると思います。要素技術的にはそれほど特殊な技術が必要という訳ではありません。
しかしなぜ参入が少ないかと言うと、商売にならなかったからですね。
日本の宇宙産業の市場規模は、ほぼほぼ国家予算で決まるという状態が長らく続いています。大きさも、軽自動車~マイクロバスぐらいの重厚長大な人工衛星が中心で、これを作るのは大規模で大変な設備が必要となります。
そして回数を稼ぐ事ができないので、カットアンドトライが難しく、ノウハウの蓄積も出来ず、と言う状態でした。
それを変えたのが、最近の小型衛星ですね。これで経験を積みやすくなっているのと、コストもリスクも従来より劇的に下げる事ができていると言う訳です。
その代表格はイーロンマスク氏率いるStarlinkということになるわけですが。
さて、イーロンマスク氏のような事ができるでしょうか?
そのための第一歩として、JAXAを通してお金を入れると言うのがこのニュースだと思います。
ただ、それだけだと、日本の宇宙産業の業界体質「国内宇宙市場規模≒国家予算」の構図でちょっとだけ市場が増えるだけです。
どうやって「儲かる宇宙産業」にしていくかが重要だと思いますし、儲かる宇宙産業になるにしても、そこにたどり着くまでは長い時間の投資と、その間の投資効率の悪さに目をつぶって、辛抱強く促す必要があるでしょう。
さて、そのための方策は。
ただ…宇宙産業はどうしても、防衛・軍需に直結するので、難しい面もあるんですよね。そして、こうやって書いていて、宇宙産業、農業に似てるなーとか思ってしまいました。
注目のコメント
来年度概算要求,いわゆる「宇宙基金」「JAXA基金」として昨年から話題になり,先日の 文部科学省 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 の議事でもありました.
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/shiryo/mext_00021.html
JAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化します.内閣府・総務省・文科省・経産省が年間100億円を分担し,JAXAを通して民間企業,大学に提供します.
5月に「宇宙基本計画」が閣議決定され,その中に「宇宙開発の中核機関たるJAXA の役割・機能の強化」が含まれました.
もともと,今年4月には自民党から年間1兆円の宇宙基金を創設するように提言が出されました.
https://sorabatake.jp/31747/
さすがに1兆円には(遥かに)届かず,1/00の100億円です.
たとえばこれまで,大学とJAXAは共同研究という形で研究を進めてきましたが,JAXAの経費負担は十分ではなく(こちらからの持ち出しが多い.JAXA経費ゼロの共同研究もある),そのくせチェック,期間に対する縛りも厳しかった.これが柔軟になると助かる.また,もはや宇宙開発(ロケット打ち上げとか)は民間企業なくしては進まない.企業を支援する仕組みが必要でした.実際,NASAとかはそうやっている.
現時点でどのような分野が考えられているか.
① 衛星・軌道上サービス.小型衛星コンステレーション,地球低軌道ビジネス,ポストISS,スペースデブリ除去,衛星の寿命延長に資する燃料補給,修理などの軌道上サービスなど.
② 月面開発・探査.月面における資源の存在状況を把握,電力・通信・測位システムや食料供給システムなどの技術実証と整備,月面・シスルナ経済圏での競争力強化など.
③ 宇宙輸送.次期基幹ロケットに係る研究開発,完全再使用化や有人輸送,高速二地点間輸送や宇宙旅行,高頻度・低コスト・完全再使用化に向けた研究開発など.やっと。しかし遅くてもやらないよりも全然いい。額も(偉そうな言い方だけど)日本にしては頑張ったと思う。素晴らしい決断です。賢く使ってくれることを望みます。薄く広く配るんじゃなく、有望なところにドカンと落とすやり方がいいと思う。
ついにというか、やっとというか、始まりました!とても嬉しいニュースです。これまではJAXAは共同研究もしくは物品や役務の発注という形でしか企業や大学にお金を投下できなかった。宇宙ビジネスや開発研究を支援する目的で資金を供給できるようになったのは、本当に大きな変化です。