宇宙ビジネス活性化へ、JAXAを通じて企業・大学に100億円支援の方針
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来年度概算要求,いわゆる「宇宙基金」「JAXA基金」として昨年から話題になり,先日の 文部科学省 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 の議事でもありました.
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/shiryo/mext_00021.html
JAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化します.内閣府・総務省・文科省・経産省が年間100億円を分担し,JAXAを通して民間企業,大学に提供します.
5月に「宇宙基本計画」が閣議決定され,その中に「宇宙開発の中核機関たるJAXA の役割・機能の強化」が含まれました.
もともと,今年4月には自民党から年間1兆円の宇宙基金を創設するように提言が出されました.
https://sorabatake.jp/31747/
さすがに1兆円には(遥かに)届かず,1/00の100億円です.
たとえばこれまで,大学とJAXAは共同研究という形で研究を進めてきましたが,JAXAの経費負担は十分ではなく(こちらからの持ち出しが多い.JAXA経費ゼロの共同研究もある),そのくせチェック,期間に対する縛りも厳しかった.これが柔軟になると助かる.また,もはや宇宙開発(ロケット打ち上げとか)は民間企業なくしては進まない.企業を支援する仕組みが必要でした.実際,NASAとかはそうやっている.
現時点でどのような分野が考えられているか.
① 衛星・軌道上サービス.小型衛星コンステレーション,地球低軌道ビジネス,ポストISS,スペースデブリ除去,衛星の寿命延長に資する燃料補給,修理などの軌道上サービスなど.
② 月面開発・探査.月面における資源の存在状況を把握,電力・通信・測位システムや食料供給システムなどの技術実証と整備,月面・シスルナ経済圏での競争力強化など.
③ 宇宙輸送.次期基幹ロケットに係る研究開発,完全再使用化や有人輸送,高速二地点間輸送や宇宙旅行,高頻度・低コスト・完全再使用化に向けた研究開発など.やっと。しかし遅くてもやらないよりも全然いい。額も(偉そうな言い方だけど)日本にしては頑張ったと思う。素晴らしい決断です。賢く使ってくれることを望みます。薄く広く配るんじゃなく、有望なところにドカンと落とすやり方がいいと思う。
ついにというか、やっとというか、始まりました!とても嬉しいニュースです。これまではJAXAは共同研究もしくは物品や役務の発注という形でしか企業や大学にお金を投下できなかった。宇宙ビジネスや開発研究を支援する目的で資金を供給できるようになったのは、本当に大きな変化です。