「スラムダンク」聖地の踏切に外国人殺到…観光客長時間撮影にポイ捨て 9月から平日も誘導員配置
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映画版スラムダンクは素晴らしかった。漫画を読んでない私も楽しめました。モーショングラフィックスの粋を極めたという感じで実写版よりリアルに実写版よりダイナミックに日本のクリエイティビティ、ソフトパワーで諸外国を魅了する出来栄えでした。
その副産物としての鎌倉のこの事態…。
鎌倉市は現在は人口17万人の自治体であり、800年以上前の鎌倉幕府時代に街だった、いわゆる「旧鎌倉」のエリアは人口約5万人です。
そこに「小田急江ノ島線」「JR横須賀線」など大量輸送が可能な鉄道で首都圏からのアクセスが良いため年間2000万人程度の観光客が訪れ、その大半は日帰り観光客であるため消費単価が低い傾向にあります。(1人当たり2000円~5000円程度)
また寺社仏閣の多いエリアですが寺社仏閣への拝観料は宗教法人への寄付金扱いとなり非課税なことが多いです。つまり日帰り鎌倉観光というのは、ランチ代と少々のお土産代しか観光客も消費の場がなく、税収にもつながりにくいことから、「お金が落ちないのに、混雑だけがある」ということで、地域住民の不満がたまる「オーバーツーリズム傾向」になることが多いのです。
日本人の宿泊旅行者であれば1人あたり平均5万円程度の消費額があり、外国人旅行者であれば1人あたり平均20万円程度の消費額があり、税収にもつながり住民サービスに循環します。
この「好循環のバランス」が崩れてしまっていることがいわゆる「オーバーツーリズム」という現象を引き起こします。
鎌倉市側もただ手をこまねいているわけではなく、数年前から特に国道134号線の渋滞解消や暮らしやすさの実現のため、「ロードプライシング」(有料道路じゃない普通の道路の通行に一部有料課金を導入する。シンガポールなどで事例がある)を国土交通省に要望するなどの活動をしていますが、まだ実現には至っておりません。
▼車両課金制 再加速なるか 鎌倉市、国に支援要望 神奈川新聞 | 2020年1月28日(火)
https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-254054.htmlコロナ前から人気の観光地ですよね。私も外国人観光客取材で見に行ったことがあります。これから中国の旅行客も戻ってきますし、オーバーツーリズムはメディアを騒がすテーマとなるでしょう。
私の見る限り、オーバーツーリズムでひとくくりにされる問題は同じやり方では対処できないというか、それぞれ最適解を見つけていくしかないように思います。日本経済のために住民には我慢していただく……というやり方では限界があるでしょう。
一つ、日本全体で対応できる問題があるとするならば、公共のゴミ箱を増やすことではないでしょうか。ゴミは持ち帰れという指示を“おおむね”守っているのは日本人の美徳でしょうが、ほとんどの国ではゴミのポイ捨てを野放しにするか、それを防ぐために街中の公共ゴミ箱を多数設置しています。
タバコもそうで、室内禁煙の国は路上は吸ってよし、路上がダメなら室内で吸えるのどっちかですよね。日本のように室内路上ともに基本ダメだけど守られていないという国は珍しく、外国人が対応するのは難しいのでは。観光業界の難しいところは、
景観や自然に対して、共有資産であり公共性の高いものなので
・規制がかけずらい(人数制限しづらい)
・お金が取りづらい(お金が落ちづらい)
・住民に迷惑をかけやすい
というデメリットがあります。
聖地巡礼はまさに、写真を撮って終わってしまうので
スラムダンクの踏切もまさにそうで、入場料をとるわけにも行かず
鎌倉にもお金が落ちづらく、打ち手が見つかりづらいのが現状です。