2023/9/3

【謎】日本中から「菊池さん」を熊本に集めた市長がすごい

畑仁 優鋭
NewsPicks編集部 ライター
全国の「菊池さん」を熊本に集めよ──。
一聴してもなんだかわからないが、先日の「家訓特集」を取材しているとき、こんなぶっ飛んだキャンペーンを打っている自治体があることを知った。
しかも、それ専用の部署まで作って恒久的に進める気合の入れようだ。
それが、熊本県菊池市の「菊池一族プロモーション室」というもの。聞けば、この菊池市は、平安〜室町時代に栄華を築いた豪族「菊池一族」のお膝元として知られ、これを地元振興につなげているのだという。
確かに、大河ドラマなどをきっかけに、市の歴史や文化、ゆかりの人物を前面に押し出すPRは聞いたことがある。
ところが、専用部署まで作った菊池市の狙いはそんなレベルにとどまらない。
菊池市の「菊池一族」ホームページ。自治体とは思えないド派手なインターフェイスだ
何しろ、全国34万人の「菊池さん」を市内に呼ぶイベントや、「菊池ファンクラブ」なる活動まで繰り広げているらしいから、執念が凄まじい。その気合は、自治体らしからぬド派手なホームページ（↑写真）を見てもらえばわかるだろう。
にしても、なぜ、ここまで「菊池」にこだわりを見せるのか──。
その大本を辿っていくと、メガバンク出身で、海外経験豊か、さらにソフトバンクでも活躍したという、異色の経歴を持つ市長に行き当たった。
そして、この市長、どうやらエリート仕込みの辣腕で、次々と斬新な施策を打っているらしい──。
一体、この「菊池一族キャンペーン」のもくろみとは何なのか?　その真相を探るべく、遠路はるばる市のトップを直撃してみた。
INDEX
  • 一流バンカーが、市長に転身したわけ
  • 職員の「サボタージュ」を打破せよ
  • 全国34万人の「菊池さん」を呼べ！
  • 次なる野望は、ドイツにあり…