2023/8/28

【深層解説】中国の「不動産危機」が本気でヤバい理由

NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。月曜日は「Must Read(今週のビッグテーマ)」です。
INDEX
  • 従来の対策では効き目がない…
  • 習近平はアレが死ぬほど嫌い…
  • 家賃では「金利」さえ賄えない…
  • 結婚/出生数が半分。唯一の景気対策は?

従来の対策では効き目がない…

2016年2月。中国では株式市場が高騰し、通貨危機も起きていた。
当時の周小川人民銀総裁は、めったに開かれない記者会見で質問に答え、住宅ローンを組みやすくなるような策を打つと述べた。
長年同職に就いていた周がこのとき発表したのが、国の巨大な金融システムによる莫大な融資である。
2023年4月4日、中国蘇州で建設中のアパート。長年の建設ラッシュにより、中国には未完成のアパートや空のアパートが大量に残っている(写真:Qilai Shen/The New York Times)。
まず、マンション購入の頭金を引き下げたことで、一気に建物の建設が進んだ。地方自治体も多額の融資を受け、道路や線路を新設できるようになる。
中国が不況に陥った際のおなじみの対策だ。数カ月で経済は上向き始め、金融市場も落ち着きを取り戻した。
現在、中国は再び深刻な経済難に陥っている。