【小泉悠】開戦1年半、ウクライナ戦争をこの1本で総ざらい
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注目のコメント
ロシア・ウクライナ戦争は、消耗戦に入っています。
戦線の動きは膠着しているのですが、戦闘は激しく、毎日双方ともに数百人が死亡している、という状況が1年ほど続いています。
現状は伯仲しているともいえますが、両軍ともに毎月1万人前後は死亡しているので、いつまでも続けられないことは確かです。いずれ膠着は破れます。
この後の展開としては、
① 消耗戦に耐えきれなくなった方が、後退する。もしくは包囲されて壊滅する:
ロシア軍も苦しいですが、もともとの国力からいえば、ウクライナ軍の方が苦しいです。
人員は、ウクライナ軍の方が先にひっ迫します。守りに徹すれば別ですが。
② 消耗戦をしながら膠着状態が続き、定着する:
これは、双方の消耗の度合いのバランスが取れていて、双方が手詰まりになった場合です。
ウクライナのどこかで線が引かれ、北朝鮮と韓国の間の38度線のようになるということです。
ただし、これは一時的な休戦となり、やがて兵力が回復した方(おそらくロシア)が攻勢を開始する可能性が高いです。
③ 消耗戦以外の奇策で戦局を打破する:
これはその戦術上の困難から、最も可能性が低いですが、ロシア軍がキーウを急襲してゼレンスキー政権を一網打尽にする、
もしくは、ウクライナ軍がモスクワを急襲してプーチン政権を一網打尽にする、といった作戦を成功させ、降伏を迫る、等です。
可能性としては、①>②>③、でしょう。
(追記)「なぜ欧米諸国はウクライナ軍が勝てるだけの兵器を供与しないのか?」ですが、
1)そもそも、欧米諸国はそんなにたくさんの兵器を持っていない
米軍も自衛隊もそうですが、先進国では量より質、への転換が進み、数自体は他国へ供与するほどの余分はありません。
2)最新兵器はウクライナ軍には扱えない
現代の米軍の兵器は最先端技術の結晶で、米軍も技術者集団です。
若いウクライナ軍兵士が数カ月は訓練を受ける必要があります。
3)ロシア軍がエスカレートするのが怖い
極端な話、米国がウクライナ軍に核兵器と超音速ミサイル50発を与えれば、ロシア軍に大打撃を与えることはできるでしょう。
ただし、ロシアはその程度で滅亡する国ではありません。そこから倍返しでウクライナと欧米諸国に報復できます。
そのため、さじ加減して兵器を供与している、というのはあります。ウクライナ戦争が始まって早くも1年半。なかなかキャッチアップしきれないくらいの長さになってきました。改めて今何が起きているのか、この動画1本を見ればわかる!というものにすべく小泉悠さんに聞いてきました。非常に踏み込んだ解説をしてくださり、僕自身がとても興味深く聞いたインタビューでした。
(僕がここで書くコメントよりも動画の中身が面白いので、ぜひ本編を見ていただきたいのですが…)大きなポイントは、私たち西側諸国が、どれくらいウクライナを支えようと思うかなのだなと感じました。日本は武器輸出はできませんが、ウクライナがここまで戦えている理由は、言うまでもなくアメリカやイギリス、ドイツの武器支援があったからです。
しかし、なぜロシア軍を完全に国土から追放するくらいに勝てていないか。それもまた、これらの国々の武器供与が「そこまでではない」からです。
結局のところ、ウクライナがどうすれば勝利に近づけるかは、多くの国が理解している。それでも、どこかで線を引いて支援にキャップを付けているわけです。理由はプーチンが怖かったり、国内世論がついてこなかったり…。そうこうしているうちにロシアは戦況を有利に進めています。
この数日でF-16を含め、やっと動き出した部分もあります。しかしウクライナ軍が苦戦を強いられているのは変わりません。アメリカとロシアで選挙も控える中、戦場はどうなるのか。ぜひこの週末に見ていただきたい動画です。
動画の最後になりますが、小泉さんの「藤子不二雄作品の21世紀、もっと人類はマトモになるはずだった。ところがやってることはスターリングラードだ」というお話はとても重かったです。ウクライナ侵攻から1年半が経ちました。このニュース自体を追い続けるのは難しいと思います。今、戦場では何が起きているのか?この戦争はいつ終わるのか?キアラシ記者の解説だけでなく、今回はロシア研究の第一人者とも言える小泉悠氏へ取材を行いました。この週末に是非ご覧ください!
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