円下落、145円60銭近辺 9カ月ぶり円安水準更新
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会社でも国でも円相場でもそうですが、足元数年、ましてや数か月の動きを見ても、歴史的な転換点は分かりません。今のドル円相場は現在のあらゆる状況とそこから導き出される様々の思惑から出来上がっており、先の動きは神のみぞ知るといったところです。今の円安は、それが現時点での日本の評価であるとして受け入れるほかありません。
先のことは分からないと言ったら商売にならないのでエコノミストはいろんな前提を置いて予測しますが、それは当たるも八卦当たらぬも八卦の世界です。相場を当て続けることが出来るなら、エコノミストは皆、大金持ちになっているはずですからね。
ただ、過去のことは確実に分かります。円相場は、大胆な金融緩和を唱える政権が誕生し、それに乗って日銀が円の毀損策を始めた2013年に大きな転換点を迎えています。直前の2012年と比べると、円はドルに対して約4割、ユーロとポンドに対して約3割、スイスフランに対して約5割、豪ドルに対して約2割切り下がっているのです。日銀と政府が連携した円の毀損策はいまなお続いています。先のことは分からぬとはいえ、この状況が変わらぬ限り、変動を繰り返しながら円の実力が中長期的に切り下がって行くだろうことは想像に難くありません。
通貨の強さは国の強さの反映です。嬉しいことではないですね・・・ f(^^;円下落と円安が主語となっていますが、8月のG10通貨(※)の強弱ランキングをみれば円は第6位です。確かに強くはありませんが、貿易赤字も縮小しており、独歩安とまではなっていません。代わりにドルが第1位と独歩高です。足元の状況は円安よりもドル高がけん引役である点を認識する必要があります。そのドル高の背景は、米長期金利の上昇です。昨晩は一時4.2%台と9か月ぶりの水準に達しました(その背景に予想を上回った米PPIや不調だった30年米国債入札などが挙げられています)。ドルの水準をドル指数という指標でみますと昨秋に比べ、かなりのドル安水準となっており、ここからのドルの続伸が見込まれます。即ち、まだしばらくの間、ドル高主導によるドル円の上昇が見込まれます。尚、CMEのFED Watchをみる限り、記事にあるような利上げ観測の高まりは観測されておりません。
(※)USD、JPY、EUR、GBP、AUD、NZD、CHF、NOK、SEK、CAD