2023/8/14

【お盆に学ぶ】一流企業に伝わる「10の家訓」がすごい

NewsPicks編集部
INDEX
  • 三菱、住友、三井…にも
  • 今日よりも「明日の利益」を
  • 「三方良し」の本当の意味
  • 「本当」のサステナビリティ
  • 伝統とは「革新」の連続である
  • 「家訓がない」という究極の家訓
  • MBAよりも…まず学べること

三菱、住友、三井…にも

みなさん日本は、世界で最も長寿企業が多いのはご存じだろうか?
しかも単なる世界トップではない。ダントツの首位なのである。例えば、創業100年以上の企業数でいえば、3万3076社と世界の41.3%を占める。
もう少しさかのぼって、創業200年以上の企業になると、もはや敵無しだ。
日本は1340社を抱え、その比率は65.0%と世界全体の過半を占めている。ここまで来ると日本は世界最強の「長寿企業大国」と言って差し支えはないだろう。
もちろん、長寿だから良いとは限らない。
「ビジネスの新陳代謝が進んでいない」とか「ゾンビ企業だらけ」といった批判もあるだろうし、それももっともだ。だが、それでもビジネスを「続ける」ことが、いかに困難かは、企業経営に携わったことがある人なら分かるだろう。
だとすると、日本を長寿企業大国たらしめているのは何か?
その秘密は『家訓』にあります
そう断言するのは、日本中の家訓を調べ尽くす「家訓ニスト協会(仮)」の幡谷哲太郎氏だ。自身も会社を経営する幡谷さんは、日本企業が受け継いで来た家訓にこそ、答えがあるとみる。
「リーマンショック以降、決算だけでは企業の良し悪しが測れないし、数字だけが良ければ良いというわけではない、という認識が広がりました」

「ビジョンやパーパスを掲げた理念型の経営の重要性が唱えられたわけですが、日本の場合は、それを家訓を通して経験則としてそういったものを受け継いでいる」(幡谷さん)
それだけではない。
資本家が理念を作り上げ、経営は優秀な人材に任せる「資本と経営の分離」といった考え方も、さかのぼれば、三井家や住友家などの財閥系がいち早く遂行しているという。
「つまり、日本の家訓を軸にした経営は、今流行る理念型経営と比べても何百年も早かったと考えています」と幡谷さんは断言する。
確かに実際に家訓を取材に回ると、現代の株主資本主義の常識では計り知れない、奥深い教えもどんどん出てくる。
NewsPicksでは、特に学びが多い「10つの家訓」を紹介していく。

今日よりも「明日の利益」を

では、早速、家訓にはどんなものがあるのだろうか。
NewsPicksは実際に、創業100年〜1000年の企業たちを取材し回ったのだが、まず最初は家訓を知り尽くす幡谷さんの「オススメ」を紹介していきたい。
福寿園といえば、今はサントリーのお茶「伊右衛門」で知る人が多いだろう。