2023/8/30

【吉原大介】「時給10ドル」の武者修行で学んだ、強いチームのつくり方

NewsPicks編集部
人生の「探求者」たちのエピソードから、自分らしく、しなやかに生きるヒントを探る連載「Life Quest(ライフクエスト)」。

今回登場するのは、パレスホテル代表取締役社長、吉原大介さんだ。

1960年に創業された「丸の内1-1-1」に位置する歴史あるホテル、パレスホテル。

その「創業家」と聞くと順風満帆な人生だと思われるが、決してそうではない。「挫折の連続」の日々だったという。

数々の失敗や挫折を経て、どのように社長に就任するに至ったのか。社長として、パレスホテルをどのように舵取りしていくのか。

学生時代から社長就任後の現在に至るまでの人生を深堀りし、「遠回り」の軌跡を辿っていく。(
全5回
INDEX
  • ブランドづくりは地味な作業
  • 「時給10ドル」の武者修行
  • NYのホテルで学んだこと

ブランドづくりは地味な作業

創業家の人間が会社に入ると、どのような仕事ぶりをするのかな、どのような振る舞いなのかなと見られるはず。
成果を残せなければ、それだけ風当たりも強くなるでしょう。
一方、新聞記者のキャリアを歩んできた私はホテルビジネスの素人。いきなり活躍できるわけではありません。
だから、とにかく一生懸命やる。皆に認めてもらうためには、誰よりも必死に働く。
それが自分に課したルールでした。
最初の仕事はリニューアルしたブランドのマーケティング。国内のホテルにおける「ラグジュアリー」という価値を新たに創り上げ、伝える責任者でした。
2012年5月のリニューアルまで、パレスホテルは開業から約50年が経っていて設備が老朽化していたこともあり、売り上げが伸び悩んでいました。
会社を成長させるためにも建て替えが必要な状況にありました。